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共通テーマその17「子育てin Nepal」 [共通テーマ]

ばなな猫は「締切り」が苦手である、がゆえにネパールにいる、
といっても過言ではない。
ネパールのビスターレ(ゆっくり、悠悠)精神、大陸系B型にはたまらんのよね。

思えば、東京でもロンドンでも、毎日が締切り生活に侵されていた。
「あれをしてこれをして、それからあれをして」と常に段取りが頭の中に渦巻いて、
と同時にもちろん手も動いている。食事は仕事しながら、
睡眠は極限まで「とれなかった」。
2時間の遅れが、印刷屋に多大な迷惑をかけるようなシステム。間違えは許されない。
ああ、胃はきりきり、ユンケル飲んでガッツ、プレッシャー毎日バリバリ生活であった。
注:とーぜん、若さゆえ出来たことである。

「もういやっ!こんな生活。」
と思って都会を離れてみた。
北極あたりまで行きたかったが、寒いので
チベットの奥地やヒマラヤ近辺で暮らしてみた。
ああ、なーんだ、別にあれが世のすべてじゃないのね。
と当たり前の事に感心した。

それでも、長年苦楽を共にした「段取りの精霊」は
場所が変わっても、職が変わっても、生活が変わっても
なかなか去ってくれなかった。
忙しくしていないと精霊が「なにかしなきゃ」と囁くのである。

転機は「子育て」と共にやってきた。

妊娠した時に「人生、計画を立てても無駄。」と悟ったが、
そんな悟りは、まだまだ「始まり」でしかなかった。
赤ん坊は「段取れない」存在である。

産まれて間もなくは、母はとにかく「休息を取る」だけを目標に生きないと
体がもたない。
夜も昼もない、3時間が一単位の生活がいきなり1ヶ月ぶっ通しで続く。
「自分の時間」?ないない、そんなもん。

泣いて授乳して寝かし付けて泣いてオムツ替えて授乳して寝かし付けて、
泣いてオムツ替えてあやしてあやしてあやして寝かし付けて、
ああ、寝たかと思ったらすぐ起きちゃって、またあやして、
暑いの?寒いの?お腹空いたの?かゆいの?痛いの?熱ある?
具合悪いの?便秘?下痢?ど、どーしたの?あああああ、やっと寝た~。

「そうだ、私なにも食べてないじゃん」とこの辺で気がついたりするほどに
母は忙しいのだ。どーだ、偉大だろう!くぅぅ。

ところがここで、「そーだ、このすきにお風呂に入っちゃおう」
なんて思ってはいけない。
赤ん坊が眠っている間に、母も眠っておかないと
次のラウンドでへろへろになる。
お風呂なんて入ったら、体力を消耗するだけである。
だって、まだ掃除(最低限の)、洗濯、炊事、買い物(抱っこヒモで)を
こなさなきゃならないんだもん。顔を洗う時間なんてないのだ。

「長距離ランナーの孤独」byシリトーなんて遠い世界のたわごとでしかない。
子育てはモノホンの持久戦である。

でなんだっけ、そうそう「子育て in Nepal」 ね。

うちは日日カップルなので、日ネカップルのような苦労話はない。
例えば、「油まみれ日光浴洗礼」とか「帽子&厚着責め」とか。
逆に、親戚、ご近所が面倒見てくれて助かるわ~、ってのもないけど、

子育てin Nepalは楽しい。

み~んな子供好きなので、日本のように人の目を気にしなくてもいい。
どころか、「かわい~」と集まってくるので、
「そーでしょう、そーでしょう、うんうん」と親バカ魂を思う存分満足させられる。
ぺコちゃんほっぺのうちの娘は、
知らない人にほっぺを触わられるのは、毎日の日課である。

子供が騒いでいても、「あったりまえ」の世界。
例えば、「ビジネス・ミーティング」であっても子供を連れて行っても全然OK。
お茶くみの兄ちゃんが遊んでくれてたりする。

時間を気にしなくていい。
一日の流れが子供中心でもいっこうに差し支えない。
例えば電話中、仕事の話しであっても「あ、子供が起きてきたんでまたあとで」で済む。
別にだ~れも急いじゃいないのであるin Nepal。

子守りにはことかかない。
どこのおうちにも使用人さんがいるので、しかもみんな子供好きなので、
ちょっと見ててね、と気軽に頼める。
うちにはいないけど、みんな子守り兼お手伝いさんディディがいるので、
母さんは気軽にお出かけできる。

いろいろな人種、いろいろな価値観の中で、
自分に合ったペースの子育てができる。
日本にいたら、きっと色々言われるんだろうな。
いろーーーんな情報が雑誌やら本やらで飛び交っているし。
「ええ!?2歳でまだおっぱい?」「まだオムツ取れないの?」
「やせてるんじゃない?」「太ってるんじゃない?」
「まだしゃべらないの?」「まだ歩かないの?」「二人目はまだ?」
えええええい!ほっとけや!

「迷惑をかけないように」小さくなっていなきゃいけない日本の子育て。
そりゃ、少子化も仕方あるめえ。

子育ては、とにかくビスターレが必要。
手洗い、食事、出かける準備、お風呂、着替え、歯磨き・・・
子供は何もかも時間がかかるのだ。
靴ひとつ履くのだって一仕事。

たっぷりとした時間があれば、
「ああっ、もう早くしなさいっ!」にはならない~。
いらいらしない~。
向こうで待っている人もネパールタイムで来るんだし~。
別に急いだってしかたないじゃーん。
なのである。

子育てに疲れたそこのお母さん!
ネパールに来て見てはいかがですか?
〆切のないビスターレ子育て。楽しいですよぅ!


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コメント 3

かおるマミ

そうなんですよねえ。
段取り計画思い通りに行かないってことを、今の日本ではなかなか体験できないですよね。子供を産む以外に。ある程度がんばれば、ある程度幸運に恵まれていれば、だいたい何でも手に入ってしまう。

わたしも(でいいのですか?)、計画出産ではなかったので、
妊娠中ですら、焦りがありました。もちろん、子供が生まれてくるのは、夫と共に楽しみにしてはいたのですが、それとは別のところで、仕事自分のことが、できなくなってしまうことを避けようとしていました。つねに自分自分自分のことばかりが頭にあったなあ(と遠い目・・・)。

それが無駄な抵抗だと悟ったのは、おろか、出産後です。
3ヶ月の新生児から預かってくれる、新しい保育園ができたので、入園させるつもりで見学にいきました。そこは素晴らしい環境だったけど、いくら愛情をもって接してくれるということでも、母親の目からみると、ちっとも、子供のことを見ていないように見えた。「この子のことを一番わかっているのは、私だな」と。
by かおるマミ (2006-04-19 16:34) 

かおるマミ②

そんなわけで、それからようやく覚悟ができました。
「この子のペースで、ゆっくりやっていこう。」

わたしが20代を過ごした日本では、「女性でも、好きな仕事をし、経済的な自立をして、自由に生きる」みたいな風潮がありました。自分もそれが当たり前だと思っていたので、子供を生むと不自由になるのではないか、という思いがとても強かった。しかし、出産前に不自由と思っていたのとは、違う世界が、
by かおるマミ② (2006-04-19 16:45) 

かおるマミ③

子供と共にやってきたという感じがしています。

いまは、ほぼ子供優先第一、見たいな生活をしていますが、かっこ悪いとも思わないし、不幸でもないし、むしろ、充実感すら感じています。こういう生活が出来るのは実はありがたいことかもしれないとも思っているところ。

と、バンダのせいで、長い、コメントになって失礼しまいました。
いまより若い頃、自分がこんな風に子供の母親になるとは、考えても夢見てもいませんでした。人生思いがけない展開をするものですね。
by かおるマミ③ (2006-04-19 16:52) 

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