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シュルティーという人 [カフェの日々]

 ジュエリー展オープン以来、彼女を訪ねてくる人々が絶えなかったので、なかなか話す機会がありませんでしたが、昨日初めてデザイナーのシュルティーさんとゆっくり話をしました。彼女の作品については先日もこのブログでちょっと感想を書きましたが、その理由が解かりました。彼女のまじめさ、こだわりは、筋がね入りです。私は、彼女の作品をはじめて見たときに、「どれが好き?」と聞かれて、「どれも好き」と答えたのですが、その言葉にウソはありませんでした。ワタシ的にはかなり珍しいことです。「どの作品も彼女の魂を感じられる」と思っていたのですが、全くその通りでした。

 彼女の作品が出来上がるまでに関わるのは、全部で4名です。まず、デザインして、石、銀を選ぶのは彼女です。そして、シルバー・スミス(銀細工師)とそのアシスタントが銀細工と磨きをすべて手作業で仕上げます。もうひとりは、ビーズや石をつなぐ職人さん。この4人は長い付き合いを経て、完全に信頼しあっているそうです。銀や石の重さを量ったり、彼ら職人さんと「取引」したりする必要は全く無いそうです。技術料はすべて彼らが決めます。シュルティーが大切にしているのは、4人が「満足のいく仕事」が出来ること。

 それだけではありませんでした。彼女は職人たちに「嫌な仕事は引き受けないで欲しい」「機嫌の悪い日には働かないで欲しい」と頼んでいるそうです。自分の作品にすこしでも「怒り、悲しみ」のようなネガティブな気持ちが入るのは容認できない、ということです。

 「物を作る」というのは、自分の魂を注ぎこむ事でもあります。半端な気持ちでは、半端なものしかできあがりません。日本の古い職人達も「職人が芸術家なんじゃない、作品が芸術なんだ」と言いますが、シュルティーの作品(心意気)にもそれが現れています。作品に「潔さ」を感じたのは、その心意気だったんですね。

 シュルティーの思いは、それだけでは留まりません。「みんなが満足できるような仕事をし続けていれば、争いはなくなる=戦争もなくなる、と信じたい。」「自分に出来る小さな平和を実践したい。」との強い思いが彼女にはあります。彼女のお母様は医師です。お父様は、アフリカでのメタルエンジニアリングの指導員でした。現在はインドのふるさとで、ひまを見つけては荒地への「植林」を楽しみとしているような人です。「自分に出来るなにかを地球のためにする」という心がけは、子供の頃から根付いているようです。

 そして彼女自身、ヒーラーでもあるのです。インドに伝わるタントリックやReiki(日本の霊気)などの「自然治癒」の方法を積極的に勉強しています。実は昨日、話す時間が出来たのも、私が「このところ右手の中指が痛い」とぼやいていたら、彼女が温かい手で「診察」してくれていたからなのでした。「痛いのには理由がある」と理由を一番に重んじる彼女のヒーリングの方法は、いろいろと考える時間を与えてくれます。

彼女の「毎日の生き方」には、暖かいものを感じます。もちろん色々な苦労もあったようですが、それを「学ぶ機会」として受け止められる彼女だからこそ、作品の完成度もどんどん熟してゆくことでしょう。


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