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さるとグアバ [スワヤンブの日々]

新居には、マンゴー、グアバ、桃(アンズ?)、アボガド、ボゴティ(ポンカンみたいなやつ)の木がある。引越し前からここは知り合いの家だったので、引越し決定後、遊びに来ては「いやっほ~、引っ越したら全部ワシのものになるのだ、はっはっは」と心の中で喜んでいた。

 ボゴティの木

ばなな猫の新居はスワヤンブーである。スワヤンブナートは俗名モンキー・テンプルであるからして、当然、サルがいる。森の中にも、道路にも、屋根の上にも、電線にも、いたるところにおサルがいる。生息している地元ザルがいるかかどうかは知らないが、昼間はエサ場があったり、コルラ(チベット仏教徒が朝晩、丘の周りをオンマニペメフムしながら右回りで歩く)をしにやってくるチベット人がエサをあげたりしているので、おサル達が集まってくる。多くのサルたちは、朝早くにグループで山からやってきて、日暮れと共にねぐらに帰るようである。

かつて住んでいた家の屋根(トタン)には、毎朝決まって3:30am頃から、時間差で3~4グループがドカドカと経過して行った。ひと群れは子供も含め、8~15頭といったところか。朝っぱらから迷惑なサルである。おかげで泥棒に入られた時も、泥棒がグリッドと窓と網戸をはずしている間のごそごそという音にも「ああ、またサルの奴らめ、うるさいなあ・・・ぐう」と寝てしまったほどである。まったく迷惑なサルである。当時出たばかりの300万画素デジカメとプロトレックのレイ(赤バンド)をまんまと盗られたのも、全くをもってサルのおかげである。

話は戻って、新居の庭であるが、もちろんサルが来る。ああっ、ってことはつまり、今、食べごろを迎えようとしている、あのグアバたちはサルらに食べられちゃうわけっ!?・・・そう、その通り。かつて住んでいた家の大家さん宅の庭では、唐辛子しか作っていなかったのを思い出した。しかも奴らは、グアバを熟れる前に取って食べてしまう。クヤシイ。

バナナキャット・カフェで活躍した、カラス撃退パチンコを出動させてみたが、裏手がゴンパ(チベット仏教のお寺)で、うちが丸見えのため、やっぱり「サルにパチンコで石を打っている日本人の姿」はあまり見せたくない。しかし、サルは人を見る。人間の次に頭が良いらしいのだから、ナメられてはまずい。ちょろいと思われたが最後、庭にのさばり、そのうちスキあらば家に入ってきたりするようになるのだ。近所の八百屋からも野菜がガシガシと盗まれているのも、昼寝ばかりしている店員のせいだろう。

さて、ここで、思い出すのは地獄谷温泉のサルと旅館の親爺である。

いつだったか忘れたが、女の子だった頃の私は、友人3人と渋めの週末を地獄谷温泉に過ごしに行った。そう、あの「温泉に入る日本ざる」、で国際的にも有名な場所である。着いたとたんに「きゃー、カワイー!」子猿達がほわほわした産毛につつまれながら、足に絡み付いてくる。靴紐をひっぱって遊ぶ姿は子猫のようにカワイイのだ。無邪気な子ザルにすっかり有頂天な私たちは、旅館の親爺の「窓はぜったいに開けないでくださいね、サルが入ってきますから」という声にも、「子ザルが部屋に入ってくるのかしらー」ぐらいなつままれ方であった。

その後うちらは、忠告も聞かず、子サルを写真に撮ろうと窓を開け、その隙に大ザルが乱入、用意してきたお菓子をみんな持っていかれる、という災難に見舞われるのである。しかもそうの内の一匹は、「コラー、出て行け~」と叫ぶ私たちの頼りない威嚇を完全に無視して、ヒナあられをぽりぽりと食べ続けている。部屋の中で^^;

なすすべもなく旅館の親爺を呼びに走り、親爺は威勢良く部屋に飛び込んでくると、サルを追い掛け回し、反抗しようとしたそのサルに「ごちん!」と、かなり真剣に痛そうな拳骨をくらわしたのである。その反抗ザルは「ギャアギャアッ!(いってえなー、なにすんだよっ)」と抗議の声を発し、あわてて逃げていった。もちろんうちらも「だから窓開けないでって言ったのに」と叱られた^^;。

親爺のサルに接する真剣な態度に私は心打たれ、以後、サルとは対等に付き合おうと決心した。つまりサルに完全にバカにされて、ものすごく悔しかったのである。

以来私は、子ザルがどんなに可愛くても騙されない大人の人間になった。サルに隙を見せ、買い物袋をかっさわれたり、手に持っていたお菓子やジュースを持っていかれたりする犠牲者は世界中であとを絶たない。ううう、人類にとってこれは屈辱であろう。

よって!私はうちの庭にやってくるサルには、サムライ魂をもって対することにする。サル(特にオス)は、目が合うと威嚇してくる。しかも自分が木の上にいたりして優位な時は、完全に調子に乗っている。こちらが大声を出そうが脅そうが、「へへん」って感じである。バカにされないためには、「一気に行動に出る」しかないことは、地獄谷の親爺から学んだばなな猫である。具体的に何をするかというと、やはり「石」しかない=^^=ところがちょっと悲しいが、威嚇などしてもすぐに相手にバレてバカにされるのがオチなので、一気に狙い撃ちをするしかない。しかもかなり真剣なオーラを発しなければ、奴らは動じないのである。ああ、疲れる。

グアバぐらいくれてやれ、とも思うのだが、そうもいかないのだ。もぎたてのグアバはむっちゃおいしいんだもん。

しかし、飼い主の戦意をよそに、うちの黒猫ジジは、毎日のん気に庭で昼寝している。サルも猫には興味ないようだ。ネコとサルはどういう関係なのだろうか。ばなな猫はサルに食べられてしまいそうな名前なので、やはりサルは宿敵である、気がする。

グアバ、食べられるのか?!ばなな猫、がんばれ!

つづく

 青いグアバを食べるおサル。写真の木はマンゴーの木


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