「不求工」 [手づくり]
昨日、なにげなくTVをつけたら、NHKワールドで「100歳万歳」という私の大好きな番組がオンエアされていた。100歳を過ぎたばあちゃん、じいちゃんの生活を紹介する番組で、まだまだ現役の人々が登場して、「しぇええ、103歳で毎日ジョギング3キロ!?」とか「うわあ102歳で現役美容師さん!?ひ孫31人!?」と、ただただ驚くばかりである。とにかく、えらくカッコイイ100歳が毎回登場して、「わしも100歳まで生きてみたいのお~」と思わせてくれる番組である。
「20代で死ぬのがカッコイイ」なんて本気でオオおバカなことを考えていた、パンク大好き10代の自分が、はるか遠い前世のことの様に思い返される。・・・あはは、10代おそるべしっ!
昨日観たときは、もうすでに最後の方だったので、番組の内容は分からなかったが、登場人物は、墨絵をたしなむ京都在住の103歳のお坊さん(だと思う)で、美しい蘭の花を描いているところだった。最後に彼が朱印を押すのだが、そこには、
「不求工」
の3文字。この爺ちゃんの大好きな言葉だそうだ。つまり、「工を求めず」、つまり、
「匠を求めず」。
爺ちゃんは、
「絵でも何でも、完成なんてものはない。好きだから描いている、そのままで良い、上手にならなくとも良い。」
と楽しそうに語る。
「顔でも何でも、余計にきれいにせんでよい、そのままの笑顔が好い。」
と優しい顔でおっしゃる。
・・・・・ふう。染み入りました。
この何年間か、同じような気持ちを抱いていたので、「ああっ、そうそう!そうなんですよ、爺様!」と強力な後ろ盾をいただいたような嬉しさであった。心の迷いを村の長老様が正してくれた時の様な気分であった(多分モンゴル前世時代のフラッシュ・バック)。
こんな、いさぎよい言葉を飄々と語れる100歳。 くぅぅ、かっこいいなあ。わしも100歳過ぎたら、こんな風になりたいっ、と本気で思う、人生ターニング・ポイントまであと一息の秋ですぅ~♪
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